ムスリム学びブログ

インドネシア人と結婚したムスリムの日々の学びの記録

舌に注意!

前回の眠っている心を起こす話の続きになりますが、インドネシアのテレビ番組、Kalam Hatiでインドネシアのメディアを騒がせたある記事が紹介されました。

 

過去の悪行をタウバ(悔悟)し、心を入れ替えた男性が、友人から過去の悪行について繰り返し何度も詰られ、ついに耐えかねてその友人を刺し殺してしまいました。その友人は結婚の2週間前だったとのことです。

 

上の例のように、一旦反省して悪行から足を洗ったにもかかわらず、再度悪行に戻ってしまう人がいます。なぜこのようなことが起きるのでしょうか。心はもともと柔らかくできています。ところが、繰り返し何度も詰られたりいじめられたりするうちにどんどん固くなってしまいます。上の例の男性は過去の悪行を悔悟して心を入れ替えたのですが、まだ立ち直ったばかりの状態です。例えてみると幼稚園児であり、まだ指導者が必要な時期です。その未熟な状態のときにいじめられたために邪悪さが戻ってしまったのです。

 

心には3つの種類があります。ひとつ目は健全な心であり、情に厚く、クルアーンを聞けばすぐに心に入って涙があふれる状態です。

 

ふたつ目は病気の心です。高慢な性質で、困っている人がいても気にならない状態です。イギリスの有名ロックバンドのジョン・レノンは、あるイギリスの記者会見で、「宗教かロックンロールの流れに乗ったビートルズかどちらが先に沈むか見るがいい」と語りました。その高慢さからどのような結果になったのでしょうか。彼はファンの一人に銃で撃たれて死亡しました。

 

3つ目は死んだ心です。その例はフィルアウン(預言者ムーサー様の時代のエジプト王)です。アッラー預言者ムーサー様をフィルアウンの許に遣わし、何度もアッラーの命令に従うよう促しましたが、フィルアウンはまったく聞く耳を持たず、ついには溺れ死んでしまいました。

 

最初の男性の例では、男性は傷つけられ、その傷ついた男性によって友人が殺されてしまうという悲劇が起きました。二人とも被害に遭っています。これは私達にとっての教訓です。私達はよくよく自分の舌に注意しなければなりません。舌をコントロールするのは心です。心が健康な状態に維持されていれば、舌も健康な状態になります。

 

上に挙げたいくつかの例は心が眠っている状態であるために起きたものです。ジョン・レノンの記者会見での発言は私も今回初めて知って驚きました。心の状態がどうなっているのかいつも注意して見ていく必要があると思います。前回書きましたが、固くなった心は少しずつ時間をかけて柔らかくすることができるので、絶望しないでアッラーを信じましょう。

 

(Kompas TV、Kalam Hati、ラシード先生の講話より)