ムスリム学びブログ

インドネシア人と結婚したムスリムの日々の学びの記録

誠実さの種類

前回の誠実さについてのお話の続きです。イスラームの誠実さには5つの種類があります。

1.言葉が誠実であること

2.決意したことに対して誠実であること

3.ニーヤ(アッラーのために実行すると意図)したものであること

4.決意したことを実行すること

5.行いが誠実であること

 

2は例えば、一生懸命働いてお金を貯めて親をウムロ(小巡礼)に行かせてあげようと決意したのに、いざお金が貯まってみると、親のためでなく自分の好きなことに使ってしまった場合、決意したことに対して誠実とは言えません。4も同じことです。決意したからには実行しなければなりません。

 

3は例えば、クルアーンを全部暗記した人がいたとします。しかし、アッラーのお喜びを求めて暗記したのではなく、「クルアーンを全部暗記した人」と周囲の人に思われたいから暗記したのであれば、アッラーのもとでは全く意味がありません。これと同じように、お金持ちの人がザカート(義務の喜捨)を払ったり、経済的に困窮している人にたくさんサダカ(任意の喜捨)を払ったりしたとしても、アッラーのお喜びが目的ではなく、「たくさん喜捨をした人」と周囲の人に思われるのが目的だったとしたら、アッラーによる報奨は何ひとつありません。たとえアッラーの道のためのジハード(聖戦)で戦って命を落としたとしても、自分が英雄と周囲の人に思われたいために戦いに出たのだとすれば、ただの無駄死にとなってしまいます。何をする時にも必ずアッラーのお喜びを求めて行うというニーヤをしておくことが重要です。

 

クルアーンに以下の記載があります。

「あなたがたが行わないことを口にするのは,アッラーが最も憎まれるところである。」

(サッフ章、61:3)

 

アッラー使徒に従う者は,アッラーが恩恵を施された預言者たち,誠実な者たち,殉教者たちと正義の人々の仲間となる。これらは何と立派な仲間であることよ。」

(ニサーア章、4:69)

 

ここで「誠実な者たち」は、「預言者たち」と「殉教者たち」と並んで、アッラーによりきわめて高く評価されています。アッラーは誠実な人に対して大いに報いてくださいます。人間の世界でも誠実な人は周囲から尊敬されたり、信頼されたり、良い仕事や地位を与えられたり、誠実さに対して報酬を得たりしています。アッラーはその何倍の報酬をくださるでしょうか。私達が誠実な人達の仲間に入ることができますように。

 

(Kompas TV、Kalam Hati、ラシード先生の講話より)