ムスリム学びブログ

インドネシア人と結婚したムスリムの日々の学びの記録

ニコチン依存症のメカニズム

喫煙は人体にとって有毒なことはよく知られています。人体に害になるものはイスラム的にもハラーム(禁じられている行為)です。今日は、ニコチン依存症のメカニズムについて本で読んだ内容をまとめてみたいと思います。

 

タバコを吸うと、タバコに含まれる主要成分のニコチンは、わずか7秒以内に脳内に到達して、ニコチン受容体と結合します。これにより、アセチルコリンがニコチン受容体と結合するのとほぼ同じ反応を引き起こします。つまり、頭がスッキリして集中力がアップするような気がするのです。

 

喫煙によってニコチン受容体を持続的に刺激していると、脳はアセチルコリンが十分あると勘違いしてしまい、アセチルコリンの生成をさぼるようになります。その結果、アセチルコリンが足りない状態が普通の状態になりますが、脳はアセチルコリンを生成しないので、代わりに外部からニコチンを摂取しなくてはならなくなります。

 

ニコチン受容体と結合したニコチンは30分ほどで半減してしまうため、すぐにアセチルコリン不足の状態となり、気分が落ち着かず、イライラしてきます。このため、30分や1時間おきにタバコを吸わなければならなくなります。これが「ニコチン依存症」の正体です。つまり、タバコを吸うことによって、脳を「アセチルコリンが足りている」と騙し続けている状態なのです。

 

また、大規模な研究では、喫煙によりアルツハイマー病のリスクが1.79倍に上昇するというデータが得られているそうです。喫煙は肺癌などの各種疾患のリスクを高めるのみならず、脳にも悪影響を及ぼしています。

 

喫煙についてイスラム学者の間では、ハラームとする学者と、マクルーフ(嫌悪されているがハラームではない)とする学者とで意見が分かれています。個人的には、喫煙が人体にとって有害であることを示した科学的データがあるので、避けた方がいいと思います。今回の内容は、樺沢紫苑氏の著書「脳内物質仕事術」からまとめました。この本には、このほかにも日々の生活に役立つ脳内物質の知識が豊富に盛り込まれており、分かりやすい言葉で書かれているので、ご興味のある方はぜひどうぞ。

 


脳内物質仕事術【電子書籍】[ 樺沢紫苑 ]