ムスリム学びブログ

インドネシア人と結婚したムスリムの日々の学びの記録

借金に関するイスラム的見解

(ここではインドネシアのテレビ番組、Kalam Hatiで先生がお話しされた内容に基づいて書いています。)

 

イスラムでは借金という行為が良くないとされています。しかし、生活のためにどうしてもお金を借りなければ生計が成り立たない場合もあります。また、事業を始めるための資金が必要になり、借金したいと思う人もいるかもしれません。今回は借金についてイスラム的にどう考えたら良いか、番組でソルメド先生が説明されたことをまとめていきます。

 

まず、私達の身の回りには、テレビや新聞、雑誌の宣伝広告、インターネットやSNSの情報など、欲望を刺激する媒体が溢れているため、借金を避けることが難しく、私達の90%が何らかの借金を抱えていると言ってもいいと先生は言われました。生活に必要な物はアッラーからすでに与えられているのに、生活に必要でない物までも欲しくなり、それを手に入れたとしてもさらに良いものが欲しくなります。人間の欲望は終わりがありません。私達はその借金が本当に生活に必要なのか、ただ欲望を満たすためだけに必要なのかを見極める必要があります。

 

イスラム的には借金をすることはハラーム(禁忌)ではありません。預言者様(彼に平安と祝福あれ)様も生活の必要を満たすために借金をしたことがありました。それでもやはり、借金を返済しなければならないことは負担になるので、出来るだけ避けた方が良いと教えておられます。借金する人の中には、返済能力があるにも関わらず、お金を惜しんで返済しない理由を探す人がいます。このような人は死んでから最後の審判アッラーの前に立つ時に、「泥棒」として立つことになります。このように、イスラムでは借金をしても良いのですが、返済しないことがハラームとなります。また、必ず返済するというニーヤ(意図)があれば、アッラーが私達に必ず返済させてくれると約束してくださっています。

 

借金する場合は、友人でも兄弟姉妹でも誰が相手であっても、証書や署名、写真など、証拠となるものを残しておきます。未返済のまま亡くなったとしても、後継者がその証拠を見て返済することになります。

 

最後に先生が言われたのは、私達はアッラーに多くの物を与えてくれるように願うのではなく、十分な物を与えてくれるように願う方が良いということでした。私達に今必要な物はアッラーからすでに与えられているということを知ってアッラーに感謝し、いつも満足した心の状態でありたいものです。

 

(Kompas TV、Kalam Hati、ソルメド先生の講話より)