ムスリム学びブログ

インドネシア人と結婚したムスリムの日々の学びの記録

脳内物質仕事術

今日は樺沢紫苑氏著『脳内物質仕事術』を読んだ感想を書いてみたいと思います。この本は、ドーパミンノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニンメラトニンアセチルコリン、エンドルフィンの7つの脳内物質について、それぞれの長所がわかりやすく説明されており、それをうまく生活に取り入れて、最高のパフォーマンスが出せるようにしていこうという内容になっています。それぞれの物質を効率よく分泌させるための方法や、脳内物質の短所と疾患との因果関係についても書かれていてとても興味深いです。

 

例えば、ドーパミンは私達がワクワク、ドキドキしている時に出ています。ドーパミンは「将来の大きな夢」や「10年後の自分の姿」を思い描いた場合は分泌されにくいのですが、「短期間で実現可能な目標」を立てた場合に分泌されやすく、実現すればさらに大きな目標に向かうことができます。これを繰り返すことによって結果的に大きな目標を達成できるようになります。ドーパミンは目標設定が高すぎると分泌されにくく、今の自分のレベルより少し高いレベルの目標を立てた場合に一番出やすいそうです。私もこの本を読むまでは、漠然と数年後の未来を想像して目標を設定していましたが、状況は常に変わるので、思ったより捗らない自分に焦りや苛立ちを感じていました。このことを知ってから、短期的な目標を立てて目の前にあることに集中するようにしています。状況を見て必要なら変えていけばいいや、くらいに考えるようになりました。気分的にも楽になったようです。

 

午前中に分泌されやすい脳内物質は、ドーパミンセロトニンであり、午後はアセチルコリンが優位になります。セロトニンドーパミンが出やすい午前中は、執筆作業や語学、翻訳、高度で複雑な計算、論理的で冷静さを必要とする重要な決断など、集中力と論理的思考を求められる仕事に向いており、アセチルコリンが出やすい午後は、クリエイティブな活動、アイデア出し、素材集め、コラム的な文章の執筆など、想像力と創造性を求められる仕事に向いています。私はこれまで、午後に眠気を我慢しながら語学の勉強をすることが多かったので、とても効率が悪いことをしていたのですが、午前中に集中して語学の勉強をするようにして、午後は料理をしたり、手作りマスクをつくったりとクリエイティブな作業にあてるようにしました。そうすると、無駄な時間が減り、ほぼ効率よく回るようになりました。

 

セロトニンは癒し効果、リラックス、幸福感、心の安定などの「癒し系」の物質で、これが分泌されない状態が長く続くと鬱病になるそうですが、なるほど、心の安定がなくなると鬱病になるのも納得できます。セロトニンを活性化させるのに朝散歩がいいということなので、天気の良い日に家の周りを散歩するようになりました。太陽の光のぬくもりや青空の美しさに癒されます。このような何気ない幸せが心の安定につながっていたのですね。セロトニンはオーケストラの指揮者のような存在で、セロトニンが活性化すると、脳全体が一日の活動を始めます。一日の良いリズムを作るための大事な物質なので、積極的に分泌を促したいものです。また、共感することによっても分泌されるので、映画を観て涙を流すのもいい方法だそうです。まさに癒し系物質ですね。

 

この本を読んで心の状態と脳内物質が密接につながっていることがわかりました。それぞれの長所と短所を理解し、日々の生活にうまく取り入れていきたいと思います。私は最近、運動する前と運動した後の気分の変化など、毎日のちょっとした体の変化を気にするようになりました。行動することによって心身にどのような変化が起きるのかを知るためです。そして身体がつらいときは身体の出すサインと捉えて無理をしないようにしています。そのことに気づくことができたのも、この本のおかげだと思います。大事なのは睡眠、運動、バランスの良い食事など、身体に良い生活習慣を身に付けること、それに尽きます。この本にはそのノウハウが科学的根拠に基づいて書かれています。ご興味のある方はぜひ読んでみてください。


脳内物質仕事術【電子書籍】[ 樺沢紫苑 ]