ムスリム学びブログ

インドネシア人と結婚したムスリムの日々の学びの記録

『読んだら忘れない読書術』の感想

今日は樺沢紫苑氏著『読んだら忘れない読書術』の感想を書いてみたいと思います。私は昨年から樺沢先生の本を読み始め、今回で5冊目になります。精神科医でベストセラー作家である樺沢先生は月間30冊の本を読む読書家です。その樺沢先生が本書で読書のメリットや記憶に残る読書術、実際の読み方、本の選び方、電子書籍と紙の本のメリットとデメリットを教えており、最終章には先生が勧める珠玉の30冊が紹介されています。私がこの本を購入した目的はもちろん読書術を知ることでしたが、この最終章が楽しみということもありました。以下に私がこの本で得た気付きを3項目挙げてみたいと思います。

 

まず、読書の内容を記憶に残すためには、「アウトプット前提で読む」ということ。つまり、その本の内容を人に説明したり、議論したり出来るレベルで読むということです。「本の内容を説明出来なければ本を読んでいる意味がない」というのが樺沢先生の考える「本を読んだ」の定義です。私はこれまで本を読んで内容をわかったつもりでいましたが、時が経つうちに本の内容をすっかり忘れていることが多かったと思います。樺沢先生がお勧めするアウトプットは、マーカーや書き込み、SNSへの投稿、ブログに書評を書くことなどですが、私は自分のノートに本を読んで気付いたことをとにかく書くようにしました。ノートを何度も見返すうちに覚えることが出来ます。ブログにも感想を書いていますが、記憶の強化のほかにも、言葉で人に説明する能力が鍛えられる点でお勧めです。自分が本を読んで何を感じ、何を学んだかを文章にして客観的に知ることが大事だと思います。

 

次に「パラパラ読書術」と「ワープ読書術」。「パラパラ読書術」とは、まず本をパラパラめくって全体を把握して本を読む目的を設定し、速読するか精読するかを決める方法です。樺沢先生は何日で読むかも決めて読むそうです。「ワープ読書術」とは知りたい部分を先に読んでしまう方法です。つまり「鉄は熱いうちに打て」です。ワクワクするとドーパミンが出るので記憶力アップにつながります。最初から一字一句読んでいると知りたい部分に到達するまでに時間がかかり、到達する頃には熱が冷めてしまうから先に読んでしまうということです。私もこれまで文字通り「最初から一字一句」読んでいた一人でしたので、この方法は画期的なものでした。知りたい部分を先に読むと、その本のエッセンスに早く辿りつくことが出来て満足感があるうえ、「知りたい」という気持ちが高まっている時に読むので集中力が高く、記憶に残りやすいと思います。あとは落ち着いて最初に戻って読み、知識を拾い集める感じで読んでいきます。知識を肉付けしていくイメージです。この方法は効率的であるうえ、早く本を読み終えることができるので本当にお勧めです。

 

最後は「数珠つなぎ読書術」です。「数珠つなぎ読書術」とは、ある本を読んで「もっと深く知りたい」と思ったら、その本の参考文献の中から気になる本をピックアップして読む方法です。この方法を実践すればその分野の知識がさらに深まります。また、参考文献として購入した本に載っている参考文献を何冊か読むとさらに知識は深まります。これが「参考文献の数珠つなぎ」です。人間の記憶は何かと関連付けて記憶すると覚えやすいのです。私はこれまで読書が特に好きでもなく、書店で何となく気になる本を買う程度でした。最近は少し読書するようになって、樺沢先生の本を芋づる式に読んだり、参考文献にある本を読んでみたりしています。同じ著者の本の場合は、新しい気付きを得るほか、既にある知識の肉付けをしてもらうイメージで、既に知っている内容の部分は早く読むことが出来ます。参考文献の場合は、その分野の知識が深まることはもちろん、違う見解が書かれている箇所もあるので、著者による見解の違いを知ることが出来て興味深いです。いずれにしても、関連付けて読むことが出来るので、間違いなく記憶に残りやすいです。

 

以上3点私が気付いたことをまとめてみました。みなさんはビジネス書1冊1500円を高いと思いますか。本は他人が試行錯誤した経験を1冊の本にまとめてくれたものであり、私達は本を読むだけで悩みを解決出来るうえ、時間の節約にもなります。ありがたいことです。ネット時代になり、さらに文章力が求められる時代になりました。お仕事ばかりでなく家族や友人とのやりとりでもメールで済ますことが多くなっています。メルカリやヤフオクに出品する場合は、商品の説明を書く欄に、購入者が知りたい情報を出来るだけ分かりやすく書く必要があります。「作家になりたいのなら、たくさん読んでたくさん書くしかない」。これは本書の中から引用したもので、『グリーンマイル』などで知られるアメリカの小説家スティーブン・キング氏の言葉ですが、作家にならずとも、文章力を鍛えたいなら「たくさん読んでたくさん書くしかない」と言えます。また、本は自己成長のきっかけを与え、自分の行動に変化をもたらしてくれます。たった1冊の本が人生を変えることもあります。樺沢先生も本書の中でご自身が精神科医になるきっかけを与えた本を紹介しています。そして成功している人に共通しているのは読書家が多いということ。1ヵ月に何十冊も読んでいる人が多い。私はスキマ時間に読んでいるのでなかなか早くは読めませんが、少しずつマイペースに読書を続けて自己成長していけたらと思います。こんな安価で役に立つ娯楽はほかにありません。これからもっともっとたくさんの本に出会いたいというワクワク感を感じており、楽しみです。ここまでお読みくださり本当にありがとうございました。


読んだら忘れない読書術 精神科医が教える [ 樺沢紫苑 ]