ムスリム学びブログ

インドネシア人と結婚したムスリムの日々の学びの記録

『自閉症の僕が飛びはねる理由』

こんにちは。今日はぜひお薦めしたい本があって、ブログ記事を書いています。

 

みなさんの周囲に「自閉症」と呼ばれる人はいますか?

 

私の息子も自閉症の子とよく遊んでいます。この本は私がたまたまテレビをつけていた時に紹介されていた本で、どんな内容なのか気になったので読んでみました。

 

この本の著者の東田直樹さんは重度の自閉症で、現在でも会話によるコミュニケーションはほぼ不可能とのことですが、文字盤を指で差して介助者がそれを書き取ることにより、執筆を可能にしています。この本は東田さんが13歳の時に執筆したもので、現在28カ国30言語に翻訳されています。

 

私達は「自閉症」と呼ばれる人が、普段何を考えているのか分からず、その行動が理解できないため、「自閉症」というレッテルを貼って心の奥で差別しているということはないでしょうか。

 

この本には、私たちが不思議に思う「自閉症」の人の行動に対する説明が東田さん本人の言葉で項目ごとに綴られています。

 

ただ、読んでもおそらく理解することはできないと思います。

私達とまったく違うから。

 

ですが、まず知ること、これが大事なことだと思います。

 

これを読んだ私の感想として、「自閉症」と呼ばれる人の心は、私達と同じように繊細であり、私達よりずっと純粋で人間らしい心を持っているということをお伝えしたいです。

 

そしてもうひとつ。

 

私達が当たり前のようにできることが自閉症の人にはできない。

しかもその状態と一生付き合っていかなければならない。

私達が「将来の夢が持てない」などと嘆くことがどんなに贅沢な悩みなのか。

自閉症の人達は生活していくだけで精一杯なのに。

 

それでも前向きに生きようとしている。

 

東田さんは、執筆活動を通じて自閉症の人の「声なき声」を大衆に伝えることによって、社会にしっかり貢献しています。それに比べて自分は一体何をしてきたのか。

 

自閉症の人を抱えるご家族の苦労は想像に絶するものがあると思います。おそらく東田さんの本は、そんなご家族にとっても大きな励みになるのではないでしょうか。実際、この本を英訳したディヴィッド・ミッチェル氏にも自閉症の息子さんがいて、この本によって息子さんに対する理解が大きく変わったと語っています。

 

ご家族や知り合いに自閉症の方がいたら、ぜひこの本を手に取って読んでいただきたいです。まず知ることが第一歩ですから。パラリンピックも始まったことですし、この機会にご興味がある方はぜひ読んでみてくださいね。また、映画化もされているようですのでよかったらそちらもどうぞ。

 


自閉症の僕が跳びはねる理由(1) (角川文庫) [ 東田 直樹 ]

『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』

随分とお休みしておりましたが、久しぶりに最近読んだ本について感想を書いてみたいと思います。表題の本は、今話題の「アドラー心理学」について、この本の著者で心理カウンセラーの小倉広氏が解説したものです。

 

アドラー心理学」の本としては、岸見一郎氏と古賀史健氏の「嫌われる勇気」が有名ですが、私は尊敬するベストセラー作家の樺沢紫苑先生が薦めており、自分でも書店で手に取ってみて「読みやすそう」と感じたことからこちらを選びました。実際読んでみても読みやすく、自分にしては早く読み終えることが出来ました。内容も濃く、学びが多かったと感じています。そして子育て本としても参考になることが多いのでないかと思いました。ここでは私が得た学びのうちのいくつかをご紹介します。

 

例えば、会社に行こうと電車に乗ると急激に不安が襲ってきて会社に行けない、という不安症について、アドラー心理学ではこのように述べています。

 

「不安だから外出できないのではない。外出したくないから不安を作り出しているのだ」

 

つまり、「会社に行きたくない」という目的を実現するために不安を作り出しているということです。人は先のことを考えると不安にしかならない、というのは樺沢先生の本にも書いてありますし、私もそう感じます。最近読んだホリエモンの「英語の他動力」という本にも「できない理由を考えるな。できる理由を考えろ」と書いてありました。過去を悔いてばかりいても取り戻すことはできないし、未来のことを考えると人の脳は不安なことばかり考えてしまうものらしいです。「今、ここ」にフォーカスすることが大切なのだと改めて思いました。

 

次にご紹介したい内容はこちら。

 

①他者は私を援助してくれる=他者信頼

②私は他者に貢献できる=自己信頼

③私は仲間の一員である=所属感

「この感覚(共同体感覚)がすべての困難からあなたを解放するだろう」

 

やっぱり人間は人同士のつながりなくしては幸せになることは決してできないんですね。人間関係のなかで傷つくこともあるけれど、幸せを感じるのも人間関係のなかでしか感じることはできない。傷つきたくないから人と会うのを避けて家に閉じこもっていれば、確かに傷つかずに済むけれど、孤独からは逃れられないでしょう。孤独は医学的にみても健康に悪いそうです。

 

ほんの少しでもいい。自己満足でいいから誰かを喜ばせることをしてみる。これが大事と書いてあります。自分の小さな行為が誰かの役に立ったときに幸福感を感じる。そして社会の中に自分の居場所を感じることができます。私も最近ツイッターを始めましたが、自分のちっぽけなつぶやきが誰かの役に立ってくれるといいな、と思いながら、勝手に自己満足しています。

 

樺沢先生もYou-Tubeに健康や学びに関する多くの動画を毎日配信していますが、動画の内容が誰かの役に立つことを勝手に想像して幸福感を得ているそうです。このように、私達は自己満足により「幸福の先取り」ができるのです。そもそも誰かの感謝や評価がないと貢献感を感じられないのは「相手に依存している」ことだとこの本に書かれています。

 

もうひとこと、ムスリムとして付け加えたいのは、「すべてはアッラーの満足のために行う」べきだということ。誰の評価も必要ない。感謝や見返りがなくてもいい。私達の創造者であり、誰よりも私達のことを熟知しているアッラーのお喜びのためだけに私達ムスリムは善行をします。

 

最後に私が注目したのは、人生の困難に立ち向かうために必要な「勇気」という活力です。アドラーは「自分の行為が周囲の人たちにとって役立っていると思える時だけに自分の価値を感じる」「私は自分に価値があると思える時にだけ勇気を持つことができる」という内容のことを述べています。

 

私達は周囲の人たちに対して、たとえ些細なことでも「ありがとう」と言うだけでその人にとっての勇気づけになります。これって意外に大事なことなんですね。

 

そして人を勇気づける前に、逆に自分が「勇気くじき」をしていないかどうかチェックする必要があります。相手の失敗を見てダメ出ししたり、できないからといって取り上げてしまうと、相手は深く傷つき、勇気をくじかれてしまいます。そして、大抵の場合、できていることには注目せず、できない部分にだけ注目してしまいがちです。できている部分に着目し、問題の解決法を考えることにほとんどの時間を使うと勇気づけになるとこの本に書かれています。

 

命令口調や「あなたは~すべきだ」というユー・メッセージは「勇気くじき」の言葉。お願い口調や「私は~してくれると助かります」というアイ・メッセージは「勇気づけ」の言葉になります。私も子供に対してできるだけこのように接していこうと思いました。

 

このほかにも、この本には子育てにとってよいアドバイスが実にたくさん盛り込まれています。うちの息子はもう中学生ですが、もっと早くこの本に出会えていたらよかったと思っています。私も過去に一般的な「子育て本」を買って読んだりしましたが、正直あまり参考になることがなかったです。この本の方がよっぽど参考になることが多く、子育て本としてもお薦めです。もちろん、お子さんが既に成人された方にとっても、お子さんをお持ちでない方にとっても、きっと人間らしい幸せな人生を生きるために参考になる本だと思います。ご興味のあるかたはぜひご一読くださいね。感想は以上になります。ここまでお読みくださり、本当にありがとうございました。

 

 


【新品 書籍 単行本】アルフレッド・アドラー人生に革命が起きる100の言葉 ALFRED ADLER 100 Words to Revolutionize Your Life

主婦も働かなければならない?

私は主婦で普段は家にいて家事をこなし、余った時間を語学の勉強に充てたり、読書したり、お仕事したりして過ごしています。そんな私をみて実家の母から「よくも働かないでいられるもんだ」と怒られることが多いです。生活に困っていなければ、無理に働かなくとも自分の好きなことに時間を費やしたいというのが私の考えです。「好きなこと」といっても一日何もしないでぼーっと過ごしている訳ではなく、語学の勉強をしたり、イスラムについて学んだり、学んだことをSNSやブログに発信したり、手作りマスクを作ってみたりと、いずれも建設的な活動をしていると思います。昨日の自分と比べて自己成長をしています。

 

一方で、ただお金を稼ぐため、貯めるためにする仕事は、自己成長がほとんどないと思います。何か新しい仕事に挑戦する場合は別として、たいていの場合、自分に無理なく出来る仕事に就くことが多いです。自分の快適領域、つまりコンフォートゾーンから出ようとしないので、自己成長することはありません。さらに、楽しみは休日に友達と食事したり、ショッピングに行ったりすること以外ほぼ何もない状態であればコンフォートゾーンから一歩も出ない状態なので、自己成長することはありません。このような人が友達と話す時の話題はたいてい、職場の人間関係や世間話、他人の悪口などになりがちです。思考はネガティブになり、人の悪い部分にフォーカスするようになります。人の悪口を言うと、ストレスホルモンのコルチゾールが分泌されます。コルチゾールの高値が長期にわたると、免疫力が低下し、うつ病やさまざまな病気の原因になります。心身ともに健康を害することになりかねません。これとは対照的に、人に親切にしたり、人の良い部分にフォーカスしたりすると、癒しホルモンのオキシトシンが分泌され、免疫力、幸福度ともにアップし、心身に良い影響をもたらします。イスラムでも人の過ちに対して70の理由を考えてあげることが推奨されています。人の悪い行為を許し、良い部分にフォーカスすることが良しとされています。ちなみにイスラムでは人の悪口を言うと罪になります。このように、脳科学的な機序とイスラムの教えは一致しています。ともかく、人の悪口は「百害あって一利なし」です。

 

最近、ベーシックインカムが話題になっていますが、日本で導入されるのはまだまだ先のことと思われます。そうであれば、自分の状態を「マイベーシックインカム」に置き換えて、自己成長のために時間を費やすことは、価値がある時間の使い方と考えています。自己成長するためにはコンフォートゾーンを一歩出る必要があります。自分にとって少しだけ負荷がかかる状態、つまり「ちょい難」の状態の時にドーパミンが出ます。ドーパミンが出ると集中力や記憶力が湧いてきます。達成出来たら「うれしい、楽しい」という幸福感に満たされ、さらにドーパミンが分泌され、もうすこし難しい課題に挑戦したくなります。こうして成長のスパイラルが生まれます。少しずつでも成長をし、それを楽しむ。振り返ってみると、「ああ、自分はここまで来ることが出来た」と感じることが出来る。そんな人生を送っていけたらと思っています。私が目指す方向はムスリムとしてアッラーの道のために役に立てる人間になることです。どうかアッラーのご同意とご援助がありますように。

 

『読んだら忘れない読書術』の感想

今日は樺沢紫苑氏著『読んだら忘れない読書術』の感想を書いてみたいと思います。私は昨年から樺沢先生の本を読み始め、今回で5冊目になります。精神科医でベストセラー作家である樺沢先生は月間30冊の本を読む読書家です。その樺沢先生が本書で読書のメリットや記憶に残る読書術、実際の読み方、本の選び方、電子書籍と紙の本のメリットとデメリットを教えており、最終章には先生が勧める珠玉の30冊が紹介されています。私がこの本を購入した目的はもちろん読書術を知ることでしたが、この最終章が楽しみということもありました。以下に私がこの本で得た気付きを3項目挙げてみたいと思います。

 

まず、読書の内容を記憶に残すためには、「アウトプット前提で読む」ということ。つまり、その本の内容を人に説明したり、議論したり出来るレベルで読むということです。「本の内容を説明出来なければ本を読んでいる意味がない」というのが樺沢先生の考える「本を読んだ」の定義です。私はこれまで本を読んで内容をわかったつもりでいましたが、時が経つうちに本の内容をすっかり忘れていることが多かったと思います。樺沢先生がお勧めするアウトプットは、マーカーや書き込み、SNSへの投稿、ブログに書評を書くことなどですが、私は自分のノートに本を読んで気付いたことをとにかく書くようにしました。ノートを何度も見返すうちに覚えることが出来ます。ブログにも感想を書いていますが、記憶の強化のほかにも、言葉で人に説明する能力が鍛えられる点でお勧めです。自分が本を読んで何を感じ、何を学んだかを文章にして客観的に知ることが大事だと思います。

 

次に「パラパラ読書術」と「ワープ読書術」。「パラパラ読書術」とは、まず本をパラパラめくって全体を把握して本を読む目的を設定し、速読するか精読するかを決める方法です。樺沢先生は何日で読むかも決めて読むそうです。「ワープ読書術」とは知りたい部分を先に読んでしまう方法です。つまり「鉄は熱いうちに打て」です。ワクワクするとドーパミンが出るので記憶力アップにつながります。最初から一字一句読んでいると知りたい部分に到達するまでに時間がかかり、到達する頃には熱が冷めてしまうから先に読んでしまうということです。私もこれまで文字通り「最初から一字一句」読んでいた一人でしたので、この方法は画期的なものでした。知りたい部分を先に読むと、その本のエッセンスに早く辿りつくことが出来て満足感があるうえ、「知りたい」という気持ちが高まっている時に読むので集中力が高く、記憶に残りやすいと思います。あとは落ち着いて最初に戻って読み、知識を拾い集める感じで読んでいきます。知識を肉付けしていくイメージです。この方法は効率的であるうえ、早く本を読み終えることができるので本当にお勧めです。

 

最後は「数珠つなぎ読書術」です。「数珠つなぎ読書術」とは、ある本を読んで「もっと深く知りたい」と思ったら、その本の参考文献の中から気になる本をピックアップして読む方法です。この方法を実践すればその分野の知識がさらに深まります。また、参考文献として購入した本に載っている参考文献を何冊か読むとさらに知識は深まります。これが「参考文献の数珠つなぎ」です。人間の記憶は何かと関連付けて記憶すると覚えやすいのです。私はこれまで読書が特に好きでもなく、書店で何となく気になる本を買う程度でした。最近は少し読書するようになって、樺沢先生の本を芋づる式に読んだり、参考文献にある本を読んでみたりしています。同じ著者の本の場合は、新しい気付きを得るほか、既にある知識の肉付けをしてもらうイメージで、既に知っている内容の部分は早く読むことが出来ます。参考文献の場合は、その分野の知識が深まることはもちろん、違う見解が書かれている箇所もあるので、著者による見解の違いを知ることが出来て興味深いです。いずれにしても、関連付けて読むことが出来るので、間違いなく記憶に残りやすいです。

 

以上3点私が気付いたことをまとめてみました。みなさんはビジネス書1冊1500円を高いと思いますか。本は他人が試行錯誤した経験を1冊の本にまとめてくれたものであり、私達は本を読むだけで悩みを解決出来るうえ、時間の節約にもなります。ありがたいことです。ネット時代になり、さらに文章力が求められる時代になりました。お仕事ばかりでなく家族や友人とのやりとりでもメールで済ますことが多くなっています。メルカリやヤフオクに出品する場合は、商品の説明を書く欄に、購入者が知りたい情報を出来るだけ分かりやすく書く必要があります。「作家になりたいのなら、たくさん読んでたくさん書くしかない」。これは本書の中から引用したもので、『グリーンマイル』などで知られるアメリカの小説家スティーブン・キング氏の言葉ですが、作家にならずとも、文章力を鍛えたいなら「たくさん読んでたくさん書くしかない」と言えます。また、本は自己成長のきっかけを与え、自分の行動に変化をもたらしてくれます。たった1冊の本が人生を変えることもあります。樺沢先生も本書の中でご自身が精神科医になるきっかけを与えた本を紹介しています。そして成功している人に共通しているのは読書家が多いということ。1ヵ月に何十冊も読んでいる人が多い。私はスキマ時間に読んでいるのでなかなか早くは読めませんが、少しずつマイペースに読書を続けて自己成長していけたらと思います。こんな安価で役に立つ娯楽はほかにありません。これからもっともっとたくさんの本に出会いたいというワクワク感を感じており、楽しみです。ここまでお読みくださり本当にありがとうございました。


読んだら忘れない読書術 精神科医が教える [ 樺沢紫苑 ]

『スタンフォード式 最高の睡眠』の読書感想

今日は西野精治氏著『スタンフォード式 最高の睡眠』の感想を書いてみたいと思います。この本は著者の西野氏が世界一の睡眠研究機関であるスタンフォード大学睡眠研究所での最新の知見を基に、睡眠の役割と重要性、最高の睡眠を得るための方法を多数紹介しています。日ごろ睡眠不足を感じている人、日中の睡魔に悩まされている人、朝の寝覚めがすっきりしない人、大きないびきをかいていると家族に言われたことがある人は必見です。この本を読めば睡眠の大切さが良く分かります。そして積極的に良質な睡眠をとろうと思うようになるはずです。わかりやすい言葉で一般の人向けに書かれているのですらすら読めるうえに内容も充実しています。

 

この本から私が学んだことはまず、睡眠の重要性です。睡眠が不足すると、日中のパフォーマンスが悪くなるばかりでなく、病気になりやすく、認知症のリスクも高まり、太りやすくなり、寿命までも短くなることを知り、自分が睡眠をあまりにも軽くみていたと反省しました。これまでは、睡眠を6時間も取れていない日の方が多く、日中、眠気に襲われても、我慢して疲れて集中力の無い状態で作業を続けていましたので、とても効率が悪いことをしていたと思います。私は最近、生活の中に20~30分ほど昼寝を取り入れることにしました。すると、脳や身体の疲労が少し回復して午後のパフォーマンスが上がるのを感じるようになり、今では毎日出来るだけ昼寝をするようにしています。昼寝なんて時間の無駄と思っていましたが、思い切ってやってみて良かったと思います。昼寝の習慣がない人は10分でもいいので、一度騙されたと思ってやってみてください。ただし、1時間以上の昼寝は逆に認知症のリスクが高まるのでご注意を。大手企業では既に昼寝を取り入れている企業もあるそうです。10分休息するだけで社員のパフォーマンスが上がるなら推奨しない手はないですね。

 

次に、入眠後の90分の睡眠の質を確保することが最も重要であること。この時間は成長ホルモンの分泌が80%と最も多く、自律神経を整え、脳のコンディションを整え、日中の眠気も抑えられます。この時間に質の良い睡眠を確保できれば、残りの睡眠も比例して質の良い睡眠となります。心地よい入眠を妨げないようにするには、交感神経が優位の状態から、副交感神経優位の状態に変えていく必要があります。寝る前にスマホやテレビを見たり、おしゃべりをしたり、興奮系のゲームをしたり、脳をアクティブな状態にしてしまう行動はできるだけ避けた方がいいです。私もこの本を読むまではスマホを見たり、子供とおしゃべりしたりしていました。ただ、そもそも睡眠時間が足りていない状態だったので、布団に入った後、わりとすぐに寝付くことが出来ていました。最近は7時間睡眠を目指しているので、早めに寝るようにして、寝る前は脳を出来るだけ刺激しないよう心がけています。夕食後もコーヒーを飲むならカフェインレスのものを飲むようにしました。これまでのところ大きな問題もなく眠ることが出来ています。日中、眠気に襲われることも少なくなったように思います。

 

最後は、入眠のスイッチとして、体温の管理がきわめて重要ということ。深部体温は日中高く夜間低い。皮膚温度は日中低く夜間高い。深部体温と皮膚温度の差が縮まってくるほど眠気が高まります。そのためには、皮膚温度を上げ、手足から熱放散して深部体温を下げる必要があります。入浴すると深部体温が少し上がり、その分だけ大きく下がるので、寝る90分前に入浴を済ませておけば熟眠につながります。私は寝る90分前までに入浴を済ませるのが難しいので、シャワーが多いです。時間がない場合はそれでもいいそうです。シャワーよりも効果的な方法として「足湯」も紹介されていましたが、これは主に「熱放散のアプローチ」。寝る直前でもいいということなので、時間がない人にはいいですね。私も冷え性なので冬は足が冷たくて寝付きにくかったのですが、足湯をすれば温まってスムーズに寝付けそうですので、今後取り入れていきたいと思います。

 

以上が主にこの本を読んで私が気付いたことです。睡眠が私達の健康やパフォーマンスにとってきわめて大事ということがよくわかりました。これまでの自分も含めて、睡眠を軽視している人が多いように思います。これはとても残念なことです。日本人の平均睡眠時間は諸外国と比べても6.5時間と短いそうです。休息するだけで健康になれるし、日中のパフォーマンスが上がるし、寿命も延びる。こんなに美味しいことはないでしょう。一人でも多くの方に睡眠の重要性に気付いてほしいと思います。良質の睡眠を確保することによって、ひとりひとりが元気にはつらつと活動できれば、生産性も上がり、社会全体が活性化するでしょう。この本には、ほかにも質の良い睡眠を確保するためのヒントがたくさん紹介されていますので、自分に合う方法を試してみるといいと思います。ご一読されることをお勧めします。お読みくださりありがとうございました。


スタンフォード式最高の睡眠 [ 西野精治 ]

映画『天国からの奇跡』の感想

敬虔なクリスチャンの一家に突然訪れた幼い娘の難病という実話に基づいた映画で、信仰について考えさせられる久しぶりに感動した良い一本でした。今回はこの映画の感想を書いてみたいと思います。

 

まずはあらすじから。

テキサスに住むビーム一家は敬虔なクリスチャンのごく一般的な家庭。娘のアナがある日突然、原因不明の病に倒れる。母親のクリスティはアナの看病に奔走するも、治癒する見込みがなく、信仰が揺らいでいく。ボストンにその専門の権威の医師がいるものの、予約が9ヵ月先まで埋まっていて、誰かが亡くなるのを待つしかないという残酷な状況だった。クリスティはいてもたってもいられず、アナを連れてボストンの名医のいる病院に乗り込み、何とか診察をしてくれるよう受付の女性に涙ながらに訴える。空きが出たら連絡すると言われ、親子は病院を後にする。街のレストランで知り合った元気で快活な女性アンジェラと出会い、翌日親子はボストンの街を案内してもらうことに。その途中で病院から診察に空きが出たとの連絡を受け、早速医師に診てもらう。ヌルコ医師は子供の気持ちを大事にしてくれる温かさを感じさせる医師だった。広範囲に検査をするが、治療法はないとのこと。ただ、生活を今より楽にする方法はあるという。アナの父親のケビンは動物病院を開業したばかりで、多額の借金があった。そのうえボストンの病院での治療費がかさみ、クリスティは経済的にも苦しめられて信仰心が揺らぎ、教会にも行かなくなる。アナの治療が思うように進まず、アナも痛みによるストレスから母親にあたるようになり、母子ともに精神的に限界な状況に追い込まれていく。そんな折、ケビンが家族を連れてアナの病室にサプライズでなだれ込んできて一家の絆は深まる。しかし、アナの症状はひどくなるばかりだった。ヌルコ医師に、家族と過ごすのが一番の薬になると言われ、アナはテキサスに戻る。ある日、姉のアビーに誘われて木に登ったところ、アナは木の穴の中に落ち込んでしまう。絶望的になりながらも母クリスティは悔い改めて神に祈り続ける。大規模な救出劇の末、アナが助け出された時には息があった。運ばれた病院の医師は骨折もなく、軽い脳震盪だけだったと驚きながら伝える。家に戻ってからアナは日に日に元気になっていった。なんと病気が治っていたのだ。アナは木の幹の中に落ちたときに「戻ったら治るから」と神様に言われたと両親に告げる。

 

以下は感想です。

父親のケビンはどんな状況に置かれても神の存在を否定することなく、副業も考えるなど自分にできる限りのことをしていました。イスラムでもこの姿勢が望ましいので、宗教は違いますが、こうありたいと思わせてくれた人物です。ケビンの強い信仰心は一家の柱としての役割を十分に果たしていると思います。アナはそんな父親の影響を受けたからこそ、ボストンの病室で一緒だった少女に「神様が一緒にいるよ」と励まし、お守りの十字架を贈ることができたのでしょう。その行動が少女に心の平安をもたらしました。

 

母親のクリスティが不治の病に苦しむ娘を抱えて、どうにもならなくてもどかしい気持ち、私にも息子がいるのでよくわかります。アポなしでボストンまで名医を訪ねていったのは、そんなもどかしさが膨れ上がって爆発し、藁をもつかむ思いが起こした行動と思うかもしれませんが、私はクリスティも母としてできる限りのことをしたのだと思います。家でじっと待っていても予約に空きが出るのがいつになるか分からない。実際に行動に出たからこそ、母親の強い思いが病院の受付の人の心を動かし、結果的にヌルコ医師の診察を受けることができました。アンジェラという親切な女性にも出会うことができました。父ケビンが家族を連れてボストンのアナに会いに行くために、ダメ元で空港の職員に差し止めになったクレジットカードを何枚も試していました。このことも空港の職員の心を動かしました。行動してみることは本当に大切だと感じます。

 

最後の教会でのスピーチで、クリスティは「奇跡とは優しさ」と言っていましたが、私は全部アッラーがもたらしたものだと思います。もしボストンの病院の受付の人が優しい人でなかったとしたら、アンジェラがあのレストランで非番の日だったら、空港の職員がものすごく事務的な人だったら、ボストンの医師がヌルコ医師のような温かみのある人でなく、権威やお金にしか興味のない人だったらどうでしょうか。これがすべて偶然とか人の優しさによるものと言い切れるでしょうか。すべてアッラーが用意してくれたものにほかなりません。アナが木の穴に落ちた時に、クリスティは悔い改めて一心に神に祈っていました。アッラーがその懺悔を受け入れてくれたのかもしれません。この話は実話ですが、アナは木の中で自分が身体の外に出たこと、神様と話をしたことを明かしています。アナは「戻りなさい、戻ったら治るから」と言われたそうです。その後、病気は見事に治りました。これは医学でも人の優しさでも説明がつきません。人間が起こすことのできない奇跡。それはアッラーが起こしたものです。

 

信仰が揺らいでいるクリスティに対して教会の神父が「人生で最も苦しかった頃に、必死で神に縋ることと、神に背を向けることの両方を私は試した。そして私はすべて信じる方を選んだ」と話していましたが、「信じる」ことが重要であり、「信じる」からこそアッラーは応えてくれるのだと思います。ボストンの病室で一緒だった少女は残念ながら死んでしまいましたが、たとえ死んだとしてもそれがアッラーのご意思なのです。一見残酷と思われることでも、私達の小さな頭では理解できないことでも、アッラーのすることに意味のないことはひとつもありません。その少女もアナと話してから亡くなるまでの日々を心安らかに過ごしていたといいます。

 

この映画は私達が信仰心を強く持ち、自分にできる範囲のことをただ一生懸命する。そしてあとはアッラーにすべて委ねる。それを教えてくれている映画だと思います。私も何が起きても信仰心を強く持ち続けることができますように。お読みくださりありがとうございました。

『ゲド戦記』を再び観た感想

先日テレビで放送された『ゲド戦記』。前にテレビで放送された時に観たことがあり、あまり印象に残っていなかったのですが、今回久しぶりに観て過去の自分を思い出したりして、それなりに楽しむことができました。今日はその感想を書いてみたいと思います。

 

まず、物語全体の世界観は好きです。絵や音楽、テルーの歌も素晴らしい。この辺りはジブリの製作スタッフがいるから万全なのでしょう。そして、いきなりの「父親殺し」には驚かされます。この部分は原作にはなく、プロデューサーに勧められて宮崎吾朗監督が脚本に盛り込んだと言われていますが、父であり巨匠の宮崎駿監督に対するものすごいプレッシャーが反映されているようです。プロデューサーにそそのかされて話題づくりのために「父親殺し」を盛り込んだのではという評価もありましたが、本人の発案ではないにしても、越えたくても越えられない壁である巨匠、宮崎駿を断ち切るために本人としては受け入れやすい提案であったことは想像に難くなく、「父親殺し」は「壁」を超えるために必然と感じたのではないかと推察できます。

 

ただ、全体的に丁寧さが足りなかったのが残念です。アレンは父親を殺したのだから当然重罪です。ましてアレンの父親は王様なのですから、国に帰ってただで済むはずもなく、死刑か、生涯投獄されることになる可能性もあります。なのに、物語終盤でアレンはテルーに「(罪を償ったら)会いに来てもいいかな」と言っています。私には随分気楽な言葉に聞こえました。最後もハッピーな感じで旅立って行ったのも、これから父親殺しの罪を償いに行く罪人の雰囲気が微塵も感じられません。「父親殺し」を映画に盛り込んだなら、後のフォローも丁寧にした方がいいと思います。

 

また、私は原作を読んでいないのですが、「真の名前」にはこの物語独自の意味があるようです。このあたりも原作を読んでいない人にとっては意味不明です。同じ名前についても、「千と千尋の神隠し」では、映画の中にその重要性が描かれており、想像を膨らませながら知るには十分な情報量だったと思います。

 

物語の設定では、竜は人と離れて生活していたのに、最近になって人間の住む領域に姿をみせるようになって、世界の均衡が揺らぎ始めているということでしたが、テルーが実は竜であり、人の姿になって人間の世界にいることの意味もいまひとつよく分かりません。

 

原作は全6巻から成る長編なので、わずか2時間の映画にまとめるのは大変だったとは思いますが、原作を読まなくても、一通り理解できるようにはしてほしかったです。その点、「ハリーポッター」は原作を読まなくても物足りなさを感じたことはありません。映画もシリーズになっていると突っ込まれそうですが、そのうちの作品のひとつだけ観ても物足りないからと次の作品を観たくなるわけでもありません。途中から観たとしてもどの作品でも楽しむことができます。

 

これは私事ですが、アレンが精神的に不安定で暗闇の中に迷い込んでいる姿を見て、過去の自分にもそんな時があったことを不意に思い出しました。私は20代のころ、自分の中に迷い込んで、そこから一歩も踏み出せなくて苦しんでいました。普通に仕事もしていたし、友達とも遊んだり、異性とお付き合いしたりもしていましたが、何をやっても心から楽しめず、将来に不安を感じていました。今思うと、友達と遊んだりする時にそれなりに楽しんでいたはずなのに、それを楽しいことだと認識していなかったように思います。本当は目の前に幸せがあったのに、そのことに気付いていなかった。もちろん悩んでいる時期にそれに気づくのは容易ではありませんでしたが。

 

この物語の大枠のメッセージは「人はいずれ死ぬからこそ今を大事に生きる」ということ。最後にみんなで食卓を囲んで談笑するシーンがありますが、このような何気ない日常の生活にかけがえのない幸せがあるのでしょう。何もないことがどんなに幸せか。青い空を美しいと思って眺めることができるのがどんなに幸せか。アルハムドゥリッラー。このことを忘れないようにしていきたいと思います。

 

感想は以上になります。全体的な物足りなさは否めないですが、酷評されているほど悪い作品だとも思いません。宮崎吾朗監督が今後さらにいい映画をつくるために必要なステップだったと思えば納得できます。これから監督がつくる映画を楽しみにしたいと思います。