ムスリム学びブログ

インドネシア人と結婚したムスリムの日々の学びの記録

パンデミック時のハッジについて

インドネシアイスラムの講話を届けるテレビ番組(Kompas TV Kalam Hati)を私は最近よく聞いています。今日はその番組のテーマのひとつ、パンデミック時のハッジについて書いてみたいと思います。

 

ハッジとはイスラム教徒にとっては義務である一生に一度のメッカへの巡礼のことを指します。巡礼する時期は一年の中で決まっていて、今年はもう終わっています。今年はコロナの影響でメッカのあるサウジアラビアへの入国が許可されず、各国からハッジに行くために準備をしてきた人々は中止を余儀なくされました。地元サウジでも厳しく人数制限された異例のハッジとなりました。

 

せっかくハッジに向けて準備をしてきたのに行けなくなると、悲しく感じたり、がっかりしてしまう人が多いと思います。番組内でこのことについて先生がおっしゃいました。以下がその概要です。

 

自分達の願望に人生の軸を置くとがっかりするが、アッラーのご意思に沿っていれば安心を得られる。

 

コロナの状況は私達人間にアッラーが与えた試練である。試練の中で人が取るべき最善の態度は我慢すること。それに尽きる。災害時の我慢は平時の900段階上の評価を貰える。

 

4種類の我慢

1.義務の崇拝行為

礼拝、断食、ハッジに行けないことなど。

2.災害

コロナや自然災害に見舞われた時。この状態は毎日がご褒美そのもの。ただ座っているだけ、寝ているだけ、災害に耐える人のニュースを聞くだけでご褒美が貰える。災害時はご褒美の宝庫のようなもの。

3.人による中傷

例えばTwitterなどで「ハッジに行けなかったのはあなたに何か足りない所があったからでは?」などと書かれた時も我慢すればアッラーからご褒美が貰える。逆に中傷した人は罪になる。

4. 何か出来ない状態の時

経済的能力やパンデミックなどで状況的に許されないなど、どんなことでも何か出来ない状態に置かれた場合、我慢すれば全部ご褒美になる。今年ハッジに行けなかった人達はご褒美を貰うために選ばれた特別な人達。

 

また、ハディース預言者様の言動が記録された伝承)の中で言われているそうですが、ファジュル(朝のお祈り)を家族と一緒にするなど合同で礼拝した後、日の出の時間まで座ってズィクル(アッラーのお名前を呼び続けること)したりクルアーンを読んだりすると、完全なハッジとウムロ(小巡礼)のご褒美が貰えるとのことです。

 

この状態を吉報と捉えて毎日生活するだけで普段の何倍もご褒美が貰えるし、逆に嘆いたり怒ったりするとご褒美が貰えないということでした。アッラーを信じて我慢していれば毎日自動的にご褒美がどっさり手に入るという、まさに吉報ですね。アルハムドゥリッラー