ズィクルはアッラーを呼び、アッラーの存在を思い出す行為です。大好きな恋人を愛おしく呼ぶのと同じように、アッラーの僕である私達が主人であるアッラーを呼ぶことです。呼び方は「アッラー」でも「ラー イラーハ イッラッラー（アッラーは唯一である）」でも構いません。また、言葉だけでなく、礼拝したりイスラムについて学んだりと、アッラーを思い出す行為はすべてズィクルになります。アッラーを思い出すと心は落ち着き、動揺したり混乱したりすることがなくなります。
私達人間は3つの要素から成り立っています。それは心、知恵、肉体です。この3つが相互に働くことによって幸福に生きていくことができます。私達は知識を習得するために学習し、肉体を維持するために食事したり睡眠をとったりします。では心の栄養を摂るにはどうすればよいか。それがズィクルです。ズィクルすることによって信仰心が高まります。知性だけ高くても信仰心が弱いと、何か問題が起きたときに絶望し、自殺することもあります。3つそろわなければ人間として完全な状態とはいえません。
魂の無い肉体はただの抜け殻です。私達人間が母親のお腹の中にできたばかりのときはまだ魂がありません。妊娠4ヵ月になってはじめてアッラーが魂を吹き込みます。ズィクルは、私達をお創りになり、魂を与え、リズキを与えてくださるアッラーとのつながりを維持するための崇拝行為です。私達は心の平穏を保つためにいつでもズィクルする必要があります。
ではどのような方法でズィクルすればよいか。先に書いた言葉を心の中でズィクルする方法もありますが、入信して間もない人はまだ心が追いついていないため、声に出して、できれば心臓の上を手で押さえて感じながらズィクルした方がいいです。そうして眠っている心を呼び起こします。羊飼いが眠ってしまったら羊たちはあちこちに行ってしまいます。それと同じように心が眠っていると私達の行動もコントロールできない状態に陥ってしまいます。ですから心を眠っている状態から起こしてあげる必要があります。この眠っている心を呼び起こすためにズィクルします。（続く）
（Kompas TV、Kalam Hati、ラシード先生）
