ムスリム学びブログ

インドネシア人と結婚したムスリムの日々の学びの記録

人を心から許せないとき

(ここではインドネシアのテレビ番組、Kalam Hatiで先生がお話しされた内容に基づいて書いています。)

 

友人や隣人、夫婦など、様々な人間関係の中でトラブルが生じることがあります。人に傷つけられることもあります。その人を許したとしても、思い出すと、その時の感情が戻ってきて腹立たしく思うこともあります。ラシード先生はこのような場合に関するイスラム的見解を語りました。

 

まず、傷つけられたら1回だけは応酬して良いのですが、あくまで1回だけで倍返しは禁じられているとのことです。次に、最も重要なことですが、出来れば相手を許してあげるのが一番良いそうです。これがアッラーに近づくための一番の近道になります。

 

それでも傷つけられたことを思い出して腹立たしく思ったりしてしまうのは、自然な人間の心なので仕方ないですが、いったん許したら、許したという気持ちを忘れないようにし、蒸し返さないようにしていく必要があります。蒸し返してしまうと、せっかくの「許した」という善行に汚点が付いてしまいます。人を許せば自分が過ちを犯した時にも人に許されやすくなります。自分の信仰心(イマン)を思い出してみれば、難しくはないでしょうと先生は言われました。

 

イスラムで人を許す行為は非常に高く評価されています。私もイスラム勉強会で先生から「とりあえず言葉だけでもいいから○○さんを許しますと言ってみましょう。心はあとからついていきます」と教わりました。毎晩寝る前に「私を傷つけた人を全員許します」と言うと良いそうです。また、その人のために良いドゥアー(アッラーへの祈願)をたくさんしてあげると良いそうです。私も実行していますが、許してしまうだけで、腹立たしい気持ちを引きずらなくて済むので、そのままにしておくよりは精神衛生的にもはるかに良いと思います。確かにそれでも、人に付けられた傷を思い出すと苦しかったり悲しかったりするのですが、出来るだけ考えないようにして、その人のために良いドゥアーをして心を汚さないように努めています。いつか時間が解決してくれると思いながら。アッラーよ、どうか私達がアッラーのお好きな性質になれますように。アッラーの近くに行くことが出来ますように。

 

(Kompas TV、Kalam Hati、ラシード先生の講話より)