ムスリム学びブログ

インドネシア人と結婚したムスリムの日々の学びの記録

財産を清めて豊かな生活を

私達は働いて得た収入の中からアッラーの道のため、自分の必要を満たすため、ほかの人にサダカするためなど、さまざまな目的でお金を使います。多くの人がお金に愛着を持っており、なかには貯め込む人もいますし、お金によって目が眩んでしまう人もいます。お金は人間にとってひとつの試練です。お金や財産は現世の飾り物ですが、実はこれをアッラーの道のために施すことによって現世でも来世でも豊かに暮らすことができるのです。

 

どのようにその恩恵を得るのかを話す前に、私達人間が注意すべきことを先生は説明されました。人間はお金や家、車、庭、子供などお金や財産を好みます。アッラーは、このようなリズキをお与えくださったアッラーのことを忘れて(ズィクルしないで)財産を集めることに忙しくなってはならないと警告しています。先に書いたように、財産はこの世の飾り物です。

 

「富と子女はこの世の生活の装飾である。だが永遠に残る善行こそは,主の御許では報奨において最も優れ,また希望(の基礎)としても最も優れたものである。」(洞窟章18:46)

 

「信仰する者よ,あなたがたの富や子女にかまけて,アッラーを念じることを疎かにしてはならない。そうする者(アッラーを念わない者)は,自らを損う者である。」(偽信者たち章63:9)

 

自分の財産を清めるためにアッラーの道に自分の財産を施した人は、自らを地獄から遠ざけることになり、アッラーから大きな報奨が与えられます。財産を施す方法のひとつがザカートです。ザカートとは、ニサーブ(借金や必要に迫られていない一定額の財産)以上の財産を所持したまま1年が経過したムスリムはその財産の2.5%を貧しい人に施すというイスラムで定められた義務の喜捨です。

 

ザカートに関して、視聴者から以下の質問が寄せられました。

「90億ルピアを贈与されたのですが、ザカートはいくらになりますか」

 

財産は商売や仕事などの収入で得るほかにも、贈与されて得る場合もあります。贈与の場合はイスラム学者の間でも意見が分かれています。ひとつは先に書いたように贈与額の2.5%を支払う方法です。もうひとつは、贈与は自分で働いて苦労して得たものではなく、何もせずに簡単に手に入ったものなので「発見した財産」とみなし、贈与額の20%を支払う方法です。ただ、信仰心がまだ高くない人にとって20%は大きすぎるので、このような場合2.5%を支払えばよいでしょうと先生はおっしゃいました。

 

イスラムで定められた規則に則って財産を清める者は他人を損なうことがありません。そして金銭的な施しで最も良いイバーダはサダカです。それは自分だけではなくほかの人にとっても有益だからです。アッラークルアーンの中でおっしゃっています。

 

アッラーの道のために自分の所有するものを施す者を例えてみれば,ちょうど1粒が7穂を付け,1穂に百粒を付けるのと同じである。アッラーは御心に適う者に,倍加してくださる。アッラーは厚施にして全知であられる。 」(雌牛章2:261)

 

このようにアッラーは報奨を倍加してくださいます。また、サダカしたいけれども収入が不安定なために出来ない場合は無理をせず、まずは自分と家族を守り、それが出来てから他人に施せばよいと先生はおっしゃいました。サダカはお金だけではありません。人に笑顔で接したり、道の障害物を取り除いたり、他人を助けたりするだけでもサダカになります。

 

財産をアッラーの道に施すことによって現世と来世の富を手に入れることにつながるので、マーシャッラー、お金がある人は現世の飾り物としての誘惑に打ち勝ってアッラーから与えられるもっともっと大きなご褒美を手にできるといいですね。また、お金がない人にもできるサダカは沢山あるので実行していけるといいですね。アッラーよ、私達がお金や欲に埋没することなく、アッラーの道に沢山サダカできるように、いつも正しい真っすぐな道に導いてください。

 

(Kompas TV、Kalam Hati、ティオ・イスカンダル先生)