ムスリム学びブログ

インドネシア人と結婚したムスリムの日々の学びの記録

ブレインメンタル強化大全

今回は精神科医の樺沢紫苑氏著「ブレインメンタル強化大全」の感想を書いてみます。

樺沢先生はYou Tubeの動画でよく「睡眠」、「運動」、「朝散歩」の大切さを話していますが、この本ではこの3つの項目について、それぞれ一章分を使って、科学的データを示しながら解説し、生活改善のための方法を説明しています。

 

睡眠不足になると、心身への影響がはかり知れないほど大きいほか、寿命まで短くなることを知り、衝撃的でした。私は今まで睡眠に無頓着で、長く寝ることが「時間の無駄」のように感じ、「遅寝早起き」で日中寝不足を感じていましたが、睡眠が健康にきわめて大事なものであることがわかり、最近では早寝を心掛けるようになりました。また、睡眠時間もできるだけ7時間確保するように努めるようになりました。1日30分前後の「仮眠」は疲労回復、認知症予防、心臓病予防、糖尿病予防に効果があるほか、集中力がアップし、午後のパフォーマンスが上がるとのことなので、最近では30分前後の「仮眠」をとるようにしたところ、やはり体の疲労感が和らぎ、午後のパフォーマンスが全体的に良くなった感じがします。「仮眠」は預言者様(彼に平安と祝福あれ)のスンナ(ムスリムの推奨行為)でもあり、ここでもイスラムは最新の科学的知見にマッチしています。マーシャッラー。

 

運動は心身にとても良い効果があります。特に、「朝散歩」をするとセロトニンが活性化し、その日1日のリズムが整い、パフォーマンスが良くなるので、樺沢先生は強く勧めています。この本を読むまでは、ウォーキングマシンに乗り、夕方と夕食後、それぞれ30分ずつ歩いていましたが、最近は気候もいいので朝散歩に出るようにしたところ、朝日がきらめく中、美しい青空を見ながら歩くと気分も晴れ晴れしてきて、それだけでも元気がもらえます。1回出るとまたこのさわやかな気分を味わいたくなり、ここ1ヵ月ほどずっと朝散歩できています。これまでは3日間外に出ない日もあり、そんな時は欝々とした気分になっていたものですが、1日のスタートを朝日から始めると、日中の気分が全然違います。特に「朝散歩しよう」と意気込んで始めたわけでもなく、自然に習慣となっている「朝散歩」ですが、とりあえず暑くなるまでは続けてみようと思います。また、私は長年便秘で、薬を飲んでもなかなかお通じが来ない日もありましたが、朝散歩をするようになってからは、腸が刺激されるせいか、午前中にお通じが来るようになりました。アルハムドゥリッラー。もちろん薬は手放せませんが。

 

食事について言えば、コーヒーは老化、癌、糖尿病、心疾患などの予防効果があるほか、うつ病認知症のリスクを下げ、さらには脂肪燃焼率もアップさせると知り、コーヒー好きの私としては嬉しい限り。ただ、コーヒーは強い覚醒作用があるので、夜の睡眠に悪影響が及ばないように、門限を午後2時までにした方がいいとのことです。私は1日4杯以上飲む日も普通にあるので、これだけはなかなか実行できていません。

 

この本を読んでから、自分のちょっとした体調の変化を気にするようになりました。今までは無頓着で、知らず知らずのうちに無理をしていたようです。日ごろから自分の身体の変化を気に掛けるようになったのは大きな気付きだと思います。心身の健康にとっても、パフォーマンスを上げるためにも、睡眠、運動、食事などの生活習慣を整えることが何よりも大事ということが分かりました。インシャッラー、少しずつ出来ることから実行していこうと思います。お読みくださりありがとうございました。

 


ブレインメンタル強化大全 [ 樺沢 紫苑 ]

貧血を放置しては危険!

これまで私は健康診断の貧血検査で度々再検査を受けるように検査機関から通達されていたにもかかわらず、特に症状もないからと放置していました。ところが最近になって、貧血を放っておくと大変なことになることを知りました。今日はそのような考えに至った過程と貧血について学んだことを書いてみたいと思います。

 

私は以前からひどく肩が凝り、頻繁に頭痛が起き、疲れやすく、夕方ウォーキングマシンで歩いた後に胸の動悸がしたり、パソコンに向かって文を書いていると酸欠を感じたりすることが度々ありました。パソコンに向かって作業することが多いので、眼精疲労によるものと思っていましたし、何とか乗り切れてしまうのでずっと放置していました。

 

そんな私が貧血を意識するようになったきっかけのひとつが、前にこのブログの「富士山を訪ねて」に書いたように、昨年の11月に富士山の五合目から車で帰る途中で突然息苦しさと激しい頭痛に襲われたあの出来事でした。本当に今まで体験したことのない激しい頭痛で、嘔吐を繰り返しました。標高の高い場所で呼吸困難に陥った時は、もしかして自分はこのまま死ぬのではないかという恐怖感さえ覚えました。その時、現地の病院で様々な検査をしたものの、特に何も異常はなかったし、帰宅後、地元の脳神経外科に行ってMRI検査も受けましたが、脳に異常はありませんでした。なので、標高の高い場所だからあのような状態になったのではないかと思い、この時は特にそれ以上何もしませんでした。

 

ところが先日、その富士山の時と同じような症状が発生しました。用事があって出掛けた帰りで、主人と車で帰る時でした。私は助手席に座っていました。少し疲れを感じていましたが、普通に主人と会話をしていました。ところが、車を走らせて少し経った頃、突然胸が息苦しくなりました。そして胃に痛みを感じるようになり、激しい頭痛に襲われました。症状は一晩休んで少しずつ良くなりましたが、富士山のような標高の高い場所ではなく、普段の生活の場所でこのような症状が現れたことに私は恐怖を感じ、すぐに病院を受診することにしました。昨年受けた健康診断で要精密検査となっていた心電図と貧血が原因かもしれないと思い、循環器内科を受診しました。

 

病院で心電図、血液検査、心エコー、ホルター心電図の検査を受けた結果、心臓は動きが遅めではあるものの、特に問題ないとのこと。ただ、(日本人女性特有なのだそうですが)心臓の形が小さいので、全身に送り出される血液の量が少ないことと、ヘモグロビンや赤血球の大きさをみるMCV、貯蔵鉄量をみるフェリチンなどの値が極端に低い「鉄欠乏性貧血」であるために、全身に血液が届きにくい条件が揃っているとのことでした。なので、まず貧血を何とかした方が良いと主治医から言われました。鉄剤を飲んでそれでも改善しないなら何か他の疾患が隠れているかもしれないそうです。鉄剤はフェロミアという錠剤です。この薬剤は胃が爛れやすく、吐き気をもよおす人が20%ほどいるらしいのですが、私は問題なく服用できています。アルハムドゥリッラー。

 

鉄剤は非ヘム鉄なので、消化管からの吸収率はヘム鉄の5分の1ないし6分の1の5%に過ぎません。非ヘム鉄はヘム鉄よりも安価ですが、吸収率が悪く、胃腸障害を来しやすいという特徴があります。医療機関保険診療で処方可能な経口鉄剤は非ヘム鉄しかないようです。ムスリムの私にとっては動物性のヘム鉄でない方が良かったので、アルハムドゥリッラー、鉄剤が身体に合っているみたいで良かったです。

 

貧血とは血液中の赤血球の中にあるヘモグロビンの濃度が著しく低くなった状態なので、酸素を全身に運搬する役割を担っているヘモグロビンの濃度が低くなると、全身に酸素が行き渡らなくなり、酸欠になります。重い貧血になると、心臓はたくさんの血液を送り出そうとして活発に動くようになります。その結果、心臓にかなりの負担がかかり、心不全などの重度の疾患に至ることもあります。放置しておくと大変な事態になりかねません。私はしばらく貧血の治療に集中していくことにしました。

 

私は自分が酸欠になったり、頭痛や肩こりになったり、ウォーキング後に動悸が激しくなったりするのは、もしかしたら全部貧血によるものではないかと疑い出しました。そうであれば、貧血の治療によってこのような悩みから解放されるかもしれません。そう思うと楽しみな気がしてきます。とりあえず1ヵ月鉄剤を処方されているので様子をみてみようと思います。鉄剤の治療は半年間です。吸収率が5%なので長期にわたる投与が必要ということでしょうか。

 

ウォーキングなどの有酸素運動によってBDNF(脳由来神経栄養因子)や成長ホルモンの分泌が増えて、身体や脳に良い影響があることが科学的に分かっているので、私はウォーキングを1回30分、1日に2回ほぼ毎日行っていますが、時々胸の動悸が激しくなったりするので、貧血の人はやりすぎないように注意する必要があるみたいです。ただ運動不足も良くないので、自分の出来る範囲を見極めることが重要だと思います。また、十分な睡眠と鉄分の吸収を良くするための食事も大事です。タンパク質や鉄分はヘモグロビンの材料となり、ビタミンCは鉄の吸収を高める効果があるので、これからは積極的に摂るようにしようと思います。今後の鉄剤による治療経過を、インシャッラー、このブログでご報告できたらと思います。

親孝行の徳

(ここではインドネシアのテレビ番組、Kalam Hatiで先生がお話しされた内容に基づいて書いています。)

 

今回は親孝行についてラシード先生が番組で話した講話の内容をまとめていきます。クルアーンに子の両親に対する態度や親孝行について以下のように書かれています。

 

「われは,両親への態度を人間に指示した。人間の母親は,苦労に(窶)れてその(子)を胎内で養い,更に離乳まで2年かかる。『われとあなたの父母に感謝しなさい。われに(最後の)帰り所はあるのである」(ルクマーン章、31:14)

 

「あなたの主は命じられる。かれの外何者をも崇拝してはならない。また両親に孝行しなさい。もし両親かまたそのどちらかが,あなたと一緒にいて老齢に達しても,かれらに『ちえっ』とか荒い言葉を使わず,親切な言葉で話しなさい」(夜の旅章、17:23)

 

親を大事にすることはアッラーへの信仰心を証明する最も大きなパラメーターです。両親を大事にする人はこの世の幸福も得られます。つまり親孝行はあの世とこの世での成功の鍵と言えます。それほど親孝行はイスラムで重要視されています。それは、私達をこの世に誕生させるのに、両親が媒介として重要な役割を果たしているからです。私達がこの世に存在しているのはアッラーのご意志によるものです。両親はその仲介役として私達をこの世に送り出してくれました。ですから、両親に感謝するということは、アッラーに感謝しているしるしになります。アッラーへの信仰の証です。

 

お祈りや断食など、アッラーに対する約束が果たせなかったとしても、アッラーはその清算を死後まで先延ばしにしてくださいますが、親不孝な振る舞いについては、この世でも清算されます。ですから、この世で幸福になりたければ親を大事にしなければなりません。

 

では具体的に何をすれば良いのでしょうか。まず最低限のマナーとして、上のクルアーンの節にも書かれているように、汚い言葉を使わないことです。「ちぇっ」という一言ですら親の心を傷つけてしまいます。そのほかの親孝行としては次の3つです。

1.毎日両親と連絡をとる。両親を気遣う。

2.食べ物を持って行ったり、贈り物を贈ったりする。

3.親のためのドゥアー(アッラーへの祈願)をする。

 

番組の視聴者からの質問で「誤解から父親と口論になり、何度誤っても父親は許してくれません。私はどうすればよいでしょうか」という質問がありました。ここで先生は、クルアーンマルヤム章の41~48節を引用しました。内容を簡単に説明すると、預言者イブラーヒーム様(彼に平安あれ)は偶像を崇める父親に対して、正しい道に入るために預言者としての自分に従うように言いました。しかし、父親はアッラーの道に入ることを拒否し、イブラーヒーム様(彼に平安あれ)が自分たちの信仰を受け入れないなら、石打ちにすると言い、家から出ていくように言いました。イブラーヒーム様(彼に平安あれ)は家から出ていく前に、お父さんの平安とアッラーからのお許しを願いました。

 

「かれは言った。『あなたに平安あれ。わたしの主に、あなたのため御赦しを祈る。本当にかれは、わたしに対し慈悲深くあられます」(マルヤム章、19:47)

 

上の「かれは言った」の「かれ」はイブラーヒーム様(彼に平安あれ)のことであり、「本当にかれは」の「かれ」はアッラーのことです。このように、イブラーヒーム様(彼に平安あれ)は自分が父親から追い出されるという憂き目に遭ってもなお父親の平安を願っており、大変親孝行です。今回の質問者も、父親の心をよく気に掛けており、先生は大変親孝行であると評価しました。対処法としては、このように何度も誤っても許してくれなかったとしても、忍耐するしかないです。また、直接ではなく母親に伝えてもらうのもいいです。

 

ここまでが今回のお話の内容です。私達は親から与えられたものを全部返すことはとても出来ませんが、少しでも出来ることをやっていくことが大事だと思います。特に今はコロナのために親が孤立してしまいがちなので、億劫がらずにまめに連絡をとれるといいですね。それだけでも親にとっては嬉しいものみたいです。何といっても「親孝行はあの世とこの世の成功の鍵」ですから。アッラーが私達を忍耐強くしてくださいますように。どうか私達の両親の罪をお許しくださいますように。

 

(Kompas TV、Kalam Hati、ラシード先生の講話より)

すべての答えはクルアーンの中に

(ここではインドネシアのテレビ番組、Kalam Hatiで先生がお話しされた内容に基づいて書いています。)

 

今日はクルアーンの意味について、ソルメド先生が話した内容をまとめていきます。クルアーンには以下のように書かれています。

 

「それこそは,疑いの余地のない啓典である。中には,主を畏れる者たちへの導きがある」(雌牛章、2:1)

 

クルアーンは私達にとっての導きです。私達というのは、ムスリムだけでなく、全世界の人間です。クルアーンにはこれまで地球上に起きた様々な出来事について書かれています。例えば、ビッグバンは科学的研究の進歩により最近になってようやくわかった出来事ですが、クルアーンにはすでにこのことについて書かれています。今から約1400年も前の預言者様(彼に平安と祝福あれ)の時代にすでに言及されているのです。これは驚くべきことです。ほかにも、クルアーンには来世の話だけでなく、現世の生活のあらゆる事柄についてくまなく言及されています。ですから、クルアーンを読めば、私達は現世でのあらゆる問題に対する答えを見つけることができます。クルアーンアッラーの声です。クルアーンの教えに従っていれば天国のドアに近づくことになります。これとは反対に、クルアーンの教えから逸脱した行為に走れば多くの間違いを犯すことになるので、地獄の炎に近づくことになります。

 

また、クルアーンには精神的な「癒しの効果」があります。クルアーンには私達への警告や忠告、導き、善行、過去の預言者達の話が書かれています。この世界のあらゆる悩みに対する答えが書かれているので、私達は必ず正しい道に導かれ、心に平安がもたらされます。

 

「われが(段階を追って)クルアーンで下したものは,信者にとっては(精神的な)(癒)しであり慈悲である。だが不義の徒にとっては只損失の種である」(夜の旅章、17:82)

 

さらに、クルアーンを読むことによって精神的な癒し効果が得られるだけでなく、身体的諸症状にも改善がみられることが最近の医学で証明されています。

 

このように、クルアーンは私達人間にとっての導きであり、心に平安をもたらし、心身の薬となるものです。イブリース(悪魔)はこのことをよく分かっており、私達を絶望させよう、信仰から遠ざけよう、地獄に引きずり落とそうとつねに待ち構えています。私達がクルアーンを毎日読もうと思っていても続かないのは、イブリースに妨害されている可能性がありますので、イブリースに負けないようにしなければなりません。イブリースに対抗するには、目標を持つことだと先生は言いました。例えば、1日1ジュズ読まなかったら千円サダカ(喜捨)したり、1万円孤児院に寄付したりして、自らに罰則を課すのです。

 

クルアーンが上手に読める人は、天使が一緒にいてすべての善行を書き留めてくれています。一方、まだ上手に読めないながらも、読めるように懸命に努力している人は、読んだことに対する報奨と学んだことに対する2つの報奨が得られます。ですからクルアーンを読むことに何の損もありません。

 

クルアーン初心者の人が1日千円はちょっと厳しいと思いますが、出来る範囲で自分に罰則を課すのはありだと思います。自分で小さな目標を決めて段階的にステップアップしていって、そのうえで自分に罰則を課せるならばやってみられるといいでしょう。私はまだまだそのレベルではないので、インシャッラー、少しずつ無理をしない程度に進めていきたいと思います。

 

(Kompas TV、Kalam Hati、ソルメド先生の講話より)

脳内物質仕事術

今日は樺沢紫苑氏著『脳内物質仕事術』を読んだ感想を書いてみたいと思います。この本は、ドーパミンノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニンメラトニンアセチルコリン、エンドルフィンの7つの脳内物質について、それぞれの長所がわかりやすく説明されており、それをうまく生活に取り入れて、最高のパフォーマンスが出せるようにしていこうという内容になっています。それぞれの物質を効率よく分泌させるための方法や、脳内物質の短所と疾患との因果関係についても書かれていてとても興味深いです。

 

例えば、ドーパミンは私達がワクワク、ドキドキしている時に出ています。ドーパミンは「将来の大きな夢」や「10年後の自分の姿」を思い描いた場合は分泌されにくいのですが、「短期間で実現可能な目標」を立てた場合に分泌されやすく、実現すればさらに大きな目標に向かうことができます。これを繰り返すことによって結果的に大きな目標を達成できるようになります。ドーパミンは目標設定が高すぎると分泌されにくく、今の自分のレベルより少し高いレベルの目標を立てた場合に一番出やすいそうです。私もこの本を読むまでは、漠然と数年後の未来を想像して目標を設定していましたが、状況は常に変わるので、思ったより捗らない自分に焦りや苛立ちを感じていました。このことを知ってから、短期的な目標を立てて目の前にあることに集中するようにしています。状況を見て必要なら変えていけばいいや、くらいに考えるようになりました。気分的にも楽になったようです。

 

午前中に分泌されやすい脳内物質は、ドーパミンセロトニンであり、午後はアセチルコリンが優位になります。セロトニンドーパミンが出やすい午前中は、執筆作業や語学、翻訳、高度で複雑な計算、論理的で冷静さを必要とする重要な決断など、集中力と論理的思考を求められる仕事に向いており、アセチルコリンが出やすい午後は、クリエイティブな活動、アイデア出し、素材集め、コラム的な文章の執筆など、想像力と創造性を求められる仕事に向いています。私はこれまで、午後に眠気を我慢しながら語学の勉強をすることが多かったので、とても効率が悪いことをしていたのですが、午前中に集中して語学の勉強をするようにして、午後は料理をしたり、手作りマスクをつくったりとクリエイティブな作業にあてるようにしました。そうすると、無駄な時間が減り、ほぼ効率よく回るようになりました。

 

セロトニンは癒し効果、リラックス、幸福感、心の安定などの「癒し系」の物質で、これが分泌されない状態が長く続くと鬱病になるそうですが、なるほど、心の安定がなくなると鬱病になるのも納得できます。セロトニンを活性化させるのに朝散歩がいいということなので、天気の良い日に家の周りを散歩するようになりました。太陽の光のぬくもりや青空の美しさに癒されます。このような何気ない幸せが心の安定につながっていたのですね。セロトニンはオーケストラの指揮者のような存在で、セロトニンが活性化すると、脳全体が一日の活動を始めます。一日の良いリズムを作るための大事な物質なので、積極的に分泌を促したいものです。また、共感することによっても分泌されるので、映画を観て涙を流すのもいい方法だそうです。まさに癒し系物質ですね。

 

この本を読んで心の状態と脳内物質が密接につながっていることがわかりました。それぞれの長所と短所を理解し、日々の生活にうまく取り入れていきたいと思います。私は最近、運動する前と運動した後の気分の変化など、毎日のちょっとした体の変化を気にするようになりました。行動することによって心身にどのような変化が起きるのかを知るためです。そして身体がつらいときは身体の出すサインと捉えて無理をしないようにしています。そのことに気づくことができたのも、この本のおかげだと思います。大事なのは睡眠、運動、バランスの良い食事など、身体に良い生活習慣を身に付けること、それに尽きます。この本にはそのノウハウが科学的根拠に基づいて書かれています。ご興味のある方はぜひ読んでみてください。


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仕事の徳

(ここではインドネシアのテレビ番組、Kalam Hatiで先生がお話しされた内容に基づいて書いています。)

 

イスラムでは、家族を支えるために仕事をすることは善行となります。今回は仕事の徳について、ソルメド先生が番組で話された内容をまとめていきます。

 

仕事をすれば罪が許され天国に行ける

 

一家の大黒柱であるお父さんが毎日仕事に行くのは、ただ生計のためにお金を稼ぎに行っているのではなく、アッラーからのご褒美を毎日もらいに行っているのです。それだけでなく、朝に仕事に出掛けると、夕方にすべての罪が許されます。また、天国も約束されます。

 

預言者様(彼に平安と祝福あれ)のサハーバ(教友)の一人が預言者様(彼に平安と祝福あれ)に会った時、そのサハーバは炎天下での激しい労働により、手はザラザラ、顔は日に焼けて黒くなり鉛色を帯びていました。預言者様(彼に平安と祝福あれ)に「どうしたのですか」と問われて、自分の炎天下での激しい労働について話すと、預言者様(彼に平安と祝福あれ)はそのサハーバの手にキスをして、「その手はあの世で地獄の炎に触れることはないでしょう」と言われました。

 

障害がある人が仕事をするとご褒美が倍増

 

番組であるバイクの運転手が紹介されました。インドネシアでは交通手段として、個人バイクがあり、タクシーのように行きたい場所に連れて行ってくれます。その人は耳が聞こえないので、自分のヘルメットの後ろにお客さんに読んでもらうために貼り紙を貼っていました。そこには「私は耳が聞こえません。左右に曲がる時、止まる時は肩を叩いてください」と書かれていました。このように、この運転手は耳が聞こえないけれども、工夫をして家族のためになんとか生計を維持しようとひたむきに頑張っていたのです。

 

ここで先生は、アッラーが私達を苦難の中に取り残すようなことは決してないと強調しました。どんな苦境に立たされても、アッラーからリズキ(糧)を得るチャンスが必ず与えられます。そしてリズキを得る方法は人それぞれ違います。このバイクの運転手は耳が聞こえませんが、目は見えます。バイクを運転することも出来ます。その人に相応しい方法がアッラーによって必ず用意されています。私達はこのことを確信していなければなりません。また、バイクに乗るお客さんはその運転手にボーナスとして規定の料金の3倍支払ってくれるかもしれません。お客さんは可哀想という気持ちもあるでしょうが、それだけはありません。生活の糧を得るために一生懸命働いている運転手の努力を評価しているのです。勿論アッラーからの報酬もインシャッラー、普通の人の労働の何倍にもなって帰ってくるでしょう。

 

物乞いに与えるべきか

 

インドネシアには貧しいために物乞いをする人が多いです。先生によれば、物乞いは身体的事情や家庭的事情、貧困、高齢など、どうしても働けない事情がある場合の緊急手段です。まず、イスラムにはザカート(義務の喜捨)とサダカ(任意の喜捨)があり、貧者にはこれをもらう権利があるので、物乞いをする必要がありません。

 

次に、仕事をする能力があるのに仕事をしない人や探せば仕事があるのに仕事をしない人が物乞いをしている場合は、何も与える必要はありません。むしろ、このような人達が怠惰にならないように、仕事へと導く必要があります。私達がサダカしたお金をお酒や薬物などハラーム(禁忌)なことに使われたら、そのサダカはハラームになってしまいます。ハラームなことが蔓延しないためにも、私達はこのような人達に安易にお金や物を与えるのではなく、仕事をする意欲を持たせるべきです。

 

今回のお話は家計のために仕事に出るお父さんにとって朗報だったのではないでしょうか。外に仕事に出るのは大変なことですが、インシャッラー、アッラーがその頑張りに必ず報いてくださいます。皆さんが毎日仕事に行く励みになれば幸いです。

 

(Kompas TV、Kalam Hati、ソルメド先生の講話より)

借金に関するイスラム的見解

(ここではインドネシアのテレビ番組、Kalam Hatiで先生がお話しされた内容に基づいて書いています。)

 

イスラムでは借金という行為が良くないとされています。しかし、生活のためにどうしてもお金を借りなければ生計が成り立たない場合もあります。また、事業を始めるための資金が必要になり、借金したいと思う人もいるかもしれません。今回は借金についてイスラム的にどう考えたら良いか、番組でソルメド先生が説明されたことをまとめていきます。

 

まず、私達の身の回りには、テレビや新聞、雑誌の宣伝広告、インターネットやSNSの情報など、欲望を刺激する媒体が溢れているため、借金を避けることが難しく、私達の90%が何らかの借金を抱えていると言ってもいいと先生は言われました。生活に必要な物はアッラーからすでに与えられているのに、生活に必要でない物までも欲しくなり、それを手に入れたとしてもさらに良いものが欲しくなります。人間の欲望は終わりがありません。私達はその借金が本当に生活に必要なのか、ただ欲望を満たすためだけに必要なのかを見極める必要があります。

 

イスラム的には借金をすることはハラーム(禁忌)ではありません。預言者様(彼に平安と祝福あれ)様も生活の必要を満たすために借金をしたことがありました。それでもやはり、借金を返済しなければならないことは負担になるので、出来るだけ避けた方が良いと教えておられます。借金する人の中には、返済能力があるにも関わらず、お金を惜しんで返済しない理由を探す人がいます。このような人は死んでから最後の審判アッラーの前に立つ時に、「泥棒」として立つことになります。このように、イスラムでは借金をしても良いのですが、返済しないことがハラームとなります。また、必ず返済するというニーヤ(意図)があれば、アッラーが私達に必ず返済させてくれると約束してくださっています。

 

借金する場合は、友人でも兄弟姉妹でも誰が相手であっても、証書や署名、写真など、証拠となるものを残しておきます。未返済のまま亡くなったとしても、後継者がその証拠を見て返済することになります。

 

最後に先生が言われたのは、私達はアッラーに多くの物を与えてくれるように願うのではなく、十分な物を与えてくれるように願う方が良いということでした。私達に今必要な物はアッラーからすでに与えられているということを知ってアッラーに感謝し、いつも満足した心の状態でありたいものです。

 

(Kompas TV、Kalam Hati、ソルメド先生の講話より)